ご挨拶

コール・ルーエ団長 浜田 樹

入団31年、まがりなりにもその長として13年。人生の半分以上をコール・ルーエで過ごすことになろうとは。出会い、縁とは摩訶不思議なものである。集団は、その参加メンバーが一定以上のエネルギーを注ぎ込むと、人格のようなものを持って、そのメンバーを導くという。40周年を迎えたコール・ルーエという集団の足跡をたどるとき、それは恰も意思を持つ人の如くであった。時宜を得た判断をくだし、私たち団員に多くの感動と比類なき経験を与えてくれた。例えば、創立4年目で、第1回定期演奏会をスタートさせ、今日まで、回を重ねて34回(平成27年)。休演は僅かに3回。興味深いのは、休演をも積極的にとらえ、その時間を確実に次の一手を打つ布石としてきている。

柔軟な組織を求めて試行錯誤し、団内の世代交代を適確に行い、新陳代謝を進める。演奏会に楽器やマイクを当たり前のように使い、少人数編成の演奏にも挑戦。固定したグループを作るかと思えば、離合集散、再編成も辞さない。

「歌も歌っている合唱団」などと人を食ったようなキャッチフレーズを冠とし、嬉しそうにしている。その割には、来て下さるお客さんは、どんな曲が聴きたいのだろうか。自分たちが歌いたい曲は何なのか。夜を徹して議論し、楽譜がなければ自ら編曲してしまう。

ステージに反響板を組まず、マイクを林立させ、ついには一人一本を割り当て、結果として個人の技量を向上させてしまう。

テージが自由に使えるので、大道具・小道具をアクセントに使い、雛壇も独自にアレンジしてしまう。照明は一曲一曲、効果を考えて作り込んでいく。

台本を作り、進行を工夫し曲順も含めて熟考…。歌える場所があれば、屋内外を問わず出かけていって、汗だくで歌いきってしまう。常に、そこまでやらなくても、というところまでやってしまう。

また、団内の人間関係はつかず離れず、親密、疎遠、遠巻き、介入etc。メンバーは好き勝手なことを言い、そのベクトルは、思い思いの方向を向く。にもかかわらず、変な連帯感があったりする。多彩な方々と関わり、そのお力をお借りし、ついでに楽しんでもらったりしてしまう。

そのキャラクターは語り尽くせず、紙数も尽き。続きは50周年記念誌に譲ることに…こんな人、隣人として、友人として、伴侶として、恋人として…いかがですか??!!

風味絶佳・滋味栄養…味わい深い集団だと思っていただけますでしょうか。

末筆ながら、これまでのご厚誼ご厚情に深く感謝申し上げます。

末永くお付き合いいただければ幸甚です。